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では気を取り直して、
あらためて「シンフォギアG」についてお話を聞かせてください。
第二期となる「シンフォギアG」は、どのような経緯で企画スタートとなったのでしょうか。

まずは、番組終了を惜しむファンの方々の声が、第二期プロジェクトを始動させる大きな理由になっている事について、
プロジェクトを代表してお礼が言いたいです!
所謂大ヒット作品に比べ、シンフォギアが獲得したファンの人数は多いとは言えないかもしれません。
ただ、お一人お一人がこの作品に対して抱いて下さっている愛情は、他のどの作品にも負けないくらい強くて熱いものだと実感していました。

具体的なタイミングとしては、第一期の放送終了後、シンフォギアライブ2012の準備が始まった頃だったと思います。
僕と三嶋Pから原作お二人に、第二期の構想があるかどうかの確認をしました。
お二人とも放送が終了し、
シンフォギアの無い生活を寂しく思われていたようで、
その話し合いの場ですぐに第二期の制作が決定しました。
そこに居た4人全員が内心やる気満々だったはずなので、それぞれに気持ちを確認し合ったただけの事です。
「戦姫絶唱シンフォギアG」というタイトルも、実はこの話し合いの場から生まれました。

心の中では、また未来に会える!ってガッツポーズしてました。

――今、目の前でやられているガッツポーズも、できれば心の中だけにしておいてほしかったのですが…
やはり、制作会議も熱く盛り上がったりするものなのでしょうか?

首脳陣みんな、作り手でありながら一適合者でもあるので、打ち合わせは毎回白熱します。
“シンフォギアとはこうだ!”という軸となる考え方は共通認識として持っているのですが、 それでも細かい所では、譲れない考え方や思い入れをそれぞれに持っているので、 時には熱いバトルが勃発することもあります。
キャラによってなんとなく役割が決まっていて、
クリスに関する事で迷ったら上松さんに判断を委ねよう、
弦十郎なら金子さんだ、とか、
もちろん僕は未来担当です。

原作者の一人が音楽家であるという事もシンフォギアの大きな特徴で、
シナリオや設定を作る打ち合わせに音楽家が参加する事って、
他の作品ではあまり無いと思います。
アニメと音楽のリンク感という点において、他のどの作品にも絶対に負けていないという自負がありますが、 それは音楽家がアニメの制作工程のスタート地点から直接的に関わっているからこそできる事だと思います。
シナリオを作る段階で、「ここではこんな音楽をかけよう!」というアイデアが上松さんから出てきたり、 逆に金子さんや小野監督から、「こういう曲を作って下さい」というオーダーが出たりします。
戦闘曲ができあがるまでコンテも書きませんし、シナリオと音楽が一心同体なのは、シンフォギアのアイデンティティーですね。

――「シンフォギアG」よりお迎えする新監督、小野勝巳さんについてもお話を聞かせていただけますでしょうか。

ゲームクリエーターの金子さんと、音楽家の上松さん。
それぞれアニメとは違うフィールドで活躍されてこられたお二人から出てくるアイデアを、 うまくアニメーションに落とし込んで下さっているのが、
新監督の小野さんです。
小野監督は原作お二人やその他のクリエーターさんから出てきたアイデアに対してNOを突き付けず、
どうすれば実現できるかを柔軟に考えて下さる方です。
だからこそ現場からの信頼も厚く、
クリエーターさん達のモチベーションも高く保たれます。
僕はどちらかというと保守的で物事を進める際にリスクの方ばかりが気になってしまう性格なので、 面白いものを作るために冒険ができる小野監督の姿勢を見て勉強させてもらっています。
小野監督の手により、シンフォギアが更なるエンターテインメント作品
“シンフォギアG”に進化していますので、皆さんお楽しみに!

――森井プロデューサーも積極的に会議に参加されたりするのでしょうか。

未来が着る私服の設定打合せで、キャラ原案の吉井ダンさんが4パターンアイデアを出して下さったのですが、
僕はその全てにOKを出し、全部本編に登場させるべきだと主張しました。
それは決して未来へのエコヒイキではなく、クリエーターさんのアイデアを汲む監督の姿勢を見習ってのことです!

――そろそろ、こびりついたエコヒイキ感が拭いきれないのですが、実際の本編でどうなっているのかが非常に楽しみですね。
さて、そんな「シンフォギアG」ですが、どのような作品となりそうですか。

前述した通り
エンタメ性がかなりパワーアップしていて面白いです!(自画自賛!)
あらゆるポイントにおいて、
第一期より進化しているかどうかのチェックは怠りませんでした。
「G」を名乗っておいてパワーダウンしていたらかっこ悪いじゃないですか(笑)

シンフォギアらしさは維持させつつ、より多くの方に楽しんでいただける作品に仕上げるというのがGのコンセプトでしたが、
今のところそれが大成功していると思っています。
大衆性を狙って薄味になったのでは?と適合者の皆さんはご心配なさるかもしれませんが、そんな事は全くありません。
シンフォギアの代名詞でもある熱くスピーディーなストーリ―展開は保たれていますし、 金子さんが書くセリフや上松さんが生み出す歌は、更にキャラクターに寄り添ったものになっています。
響の言葉を借りれば、
「これが私たちの絶唱だああああァァァァッ!!」という感じですね。
解放全開ハートの全部で作りあげた自信作です。

キャラデザが一新され、未来も更に可愛くなっています。
小日向未来Gにもご期待下さい。

――なるほど。(何が「なるほど」なのかよくわからないのですが)
では、キャラクターにお話が向かったところで、そのあたりもお話していただけますでしょうか。

第一期で死闘を共にし、大きな成長を遂げた響・翼さん・クリスの
コンビネーションは抜群です。
一段と頼もしくなった響、ますます防人化する翼さん、
温かい居場所を得たクリス。
そんな三人の前に立ちはだかるのが、マリア、調、切歌です。
第二期をやるうえで上松さんが
“シンフォギアVSシンフォギア”というテーマを掲げていますが、
ノイズとは違い、心がある彼女たちはそれぞれ戦う理由を持っています。
そのぶつかり合いが、新たなドラマの主軸となっていきます。
特にマリアの動きには注目して下さい。
Gの物語は彼女をきっかけに動き出します。

もはや言うまでもありませんが、
個人的には小日向未来の一挙手一投足に注目です。

――予想通りの回答でこちらも安心しました。
プロデューサーがブレない旗振り役というのは
本当に素晴らしい現場だと思います。
新キャラクターのキャストさんたちも見どころのひとつだと思いますが、いかがでしょうか。

新キャストを選考するにあたり、今回も演技&歌唱オーディションを行ったのですが、 新装者さん達のボーカルポテンシャルには驚かされました。
シンフォギア装者の数が増えると、それだけ歌の数も増えるという事になるのですが、 同じような歌だと代わり映えしないので、歌においてもキャラごとの差別化が必要になってきます。
新装者役の皆さんはしっかり歌える方々なので、Elements Gardenの皆さんは全力で戦闘曲を作れたと思います。
全力すぎてかなり高いハードルになってしましましたが、それに立ち向かって下さったキャストさん達のおかげで、 素晴らしい爆発力が生まれています。
アフレコスタジオでの歌唱では、装者の魂が乗り移ったような熱唱を披露して下さっていますよ。

話は変わりますが、Gで未来がどんな活躍をみせるのか楽しみですね!

――少なくともこのインタビューにおいて、未来さんは主役級の登場回数で大活躍をしていると思います。
それでは、まもなく放映が迫るシンフォギアG第一話ですが、見どころをお聞かせいただけますでしょうか。

ネタバレは避けたいので物語の見どころについては、言及しないようにします。
先日公開したPVは
第1話、第2話のアクションシーンをメインに構成していますが、 重要なシーンは隠してありますので予告としてはほとんど機能していません(笑)

小野監督にリクエストして第一期とは違うものに変更していただいた変身シーンや、 作画チーム渾身のアクションシーンには是非注目していただきたいですね。
そのクオリティーに感動した金子さんが
「サテライトさんに足を向けて寝られない!」とおっしゃったほどです。
適合者の皆さんにもきっとご満足いただけると思います。

一つ欠点を挙げるとすれば、
第一話に未来の出番が少なすぎるというところです。

――それはプロデューサー権限をもってしても、いかんともしがたかったのでしょうか?
逆に考えると一話以降に未来さんの見せ場があるかもしれませんので、こちらとしてはそこに期待したいと思います。
では最後に、タイトルにつけられた「G」の意味をお聞かせいただけますでしょうか。

「戦姫絶唱シンフォギアG」は、響が奏から受け継いだ胸のガングニールを巡る物語です。「G」はガングニールのGですね。
ただ、「G」はとっても便利なアルファベットで、ネタバレになるのでこのタイミングで言える事ではありませんが、他にもいくつか意味を持たせています。

実は意味は全部後付けで、本当は第二期でどんな物語を描くかが決定する前に、「G」というタイトル案がありました。
何故「G」に決まったかは僕が述べるべきではない気がするので、ここでは伏せておきます(笑)
スタッフ一同“頑張ろう!”の「G」のつもりで作っておりますので、
放送をお楽しみに!

――放送直前のお忙しいタイミングに時間を割いていただきありがとうございました。
何か伝え忘れているようなことはありませんか?

小日向未来は僕にとっての陽だまりです。
未来と流れ星を見るまで、生きるのを諦めません!
長文にお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _)m

聞き手 : 古里貉

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