#08 行かせないことが守ることだと疑わなかった。 だからこの手は、永遠――それよりも長く握っていたかった。 遠く、遠くに零れていく。君がこの手から零れていく。 あり続けることの苦悩と変わりゆくことの恐怖。 独奏のあるがまま往く道で、天となることも厭わない。